2017年7月6日より8日の三日間を会期として、第26回日本意識障害学会を主催させていただきます。伝統ある、そして脳神経外科のみならず意識障害の研究、治療、社会的な課題を幅広く意義深い本学会を担当させていただくとを光栄に存じます。
今回は、脳神経外科出身の救急医としてこだわる主題として「意識障害と地域包括ケア」、副題として「急性期から在宅医療まで」とさせていただきました。
御承知の通り、総病床数の削減と地域での在宅ケアを推進する「地域包括ケア」システムの導入が全国で進んでいます。この中で、意識障害に関する認識は、社会で最も共有が遅れていることを、急性期の現場にいながら懸念しています。意識障害に関する病態や知識を社会で共有する明確な方向性を、今、示すことで、長い経過を示す場合が多い意識障害の治療を社会が共有し社会で取り組むことへの展開を支援したいと考えております。
今回は、企画の段階から「全国遷延性意識障害者・家族の会」等のご意見を参考にしつついくつかの企画を導入いたしました。
まず、「日本脳神経看護研究学会」の北陸地方部会である「第11回北陸地区 脳神経リハビリテーション看護研究会」を7月8日の午後に開催し、経験と知識のさらなる共有と相互の交流を行います。
さらに、併設研修コースとして、本年の日本集中治療医学会総会で開催され好評であった神経集中治療ハンズオン(第3回)を7月6日に開催します。また、日本脳神経外科救急学会により開発された脳神経系スタッフを対象としたシミュレーション研修であるPNLS(Primary Neurosurgical Life Support)研修を7月7日の午後に開催いたします。
北陸地方では初の開催であり、様々な企画を検討しておりますが、是非、皆様のご参加をお待ちしております。
第26回日本意識障害学会 会長 奥寺 敬
(富山大学大学院危機管理医医学・医療安全学、同附属病院災害・救命センター)