第18回長野オリンピック冬季競技大会医療救護資料集1998
内容
日本で開催された冬のオリンピックとしては2回目となった第18回長野オリンピック冬季競技大会は1998年(平成10年)2月7日(土)から2月22日(日)までの16日間、長野市、山ノ内町、白馬村、軽井沢町、野沢温泉村を競技会場として開催された。
実施競技は7競技・68種目におよび19の屋内・屋外の競技会場において開催された。
総観客数は1,275,529人の国内では20世紀最後の大規模イベントであった。
この大会では、長野県の東北信の医療機関や消防局などの協力により大規模な医療体制が構築され大会準備期間中ならびに大会中の選手・スタッフ・観客の医療救護にあたった。
また、その計画作成には、県内外の医師達が協力し、この大会に先立つアトランタオリンピックの現地調査などを通して行われた。
本資料集は、国体、FIFA2002サッカーワールドカップなどのスポーツイベントや2005年の愛・地球博などの国内のイベントの医療救護体制構築の際の参考資料として長野オリンピックの医療救護関連の資料のうち主に観客等の集団を扱う部分に関する部分を出版したもので、日本救急医学会当会地方会誌(当時)別冊として刊行した。 出版後、国内の競技関係者や救急・災害医療関係者より幅広い問い合わせがあり、実費にて頒布することとした。 本資料集の特徴は、医療救護計画の細部やオリンピックなどの国際大会運営に必要な各種書類の書式、各会場のゾーン規制図(カラー)などが公開されていることで、国際大会はもとより国体、各種大型イベントなどの企画立案の参考資料として用いられている。 ソルトレーク五輪準備委員会においても英訳した本資料集が基本資料として採用されている。
2020年の東京オリンピック開催決定により、本資料集の頒布希望が一気に高まった。そこで、数カ所の訂正と総説原稿、公式報告書よりの統計等を追加して、Journal of Regional Emergency and Disaster Medicine Research の vol.12 (2013)として、新たに出版を行った。
本資料集出版は、黒田善雄氏(東京大学名誉教授・IOC医事委員)のすすめによる。
黒田氏は、東京オリンピック、札幌冬季オリンピックの医療も担当され、わが国のオリンピック医療の草分けである。 長野オリンピックにおいて医療救護計画全般にアドバイスいただき、その際に「東京も札幌も資料が残っていない」と嘆かれており、「是非、機会があれば何らかの形で残しなさい」とのことであった。
実費頒布について
一冊につき実費3500円(送料・手数料込み)を申し受けます。
申込先: こちらよりどうぞ
その他
本出版は災害救急医学の基礎資料としてオリンピックの計画を保存・公開・活用することが目的であり、オリンピックそのものについては 中立な立場での非営利目的の学術出版です。従ってNAOC(長野オリンピック組織委員会)やJOC(日本オリンピック組織委員会)等を含む国内外の団体より一切の資金面での援助は受けておりません。
この分野での教育研究は 国立大学法人 富山大学大学院医学薬学教育部 危機管理医学(救急・災害医学)講座 にて行われています。